⚠️本国最終話以降のネタバレが含まれています。未読の方はkakaopageやKAKAO WEBTOONなどで作者様のあとがきを読んでからの方がおすすめできますが、気にしない方はそのままお読みください😊
半分はpapagoで翻訳した韓国語です。
⚠️본국 최종화 이후의 스포일러가 포함되어 있습니다. 읽지 않은 분은 kakaopage나 kakaoWEBTOON등에서 작가님의 후기를 읽고 나서 추천할 수 있습니다만, 신경쓰지 않는 분은 그대로 읽어주세요😊
절반은 papago로 번역한 한국어입니다.
8カ月になる我が子、レティ―は近頃なぜか父親……ジェフリーのことを避けるようになった。
ジェフリーがレティ―を構うたびに小さな手で父親を押しのけて私のそばにやってくる。そんなレティーを寂しそうに見つめるジェフリーを見ると可哀そうに思うが、こればっかりは私にもどうしたら良いのかが分からなかった。
構われると逃げ出しても、ジェフリーの姿が見えなくなると気になるのか探し出すレティ―の様子から、決して嫌っている訳ではないとは思うのだが。
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レティ―が昼寝して手持無沙汰になった私は、ジェフリーを探して屋敷の廊下を歩いていた。
「閣下! 今回ばかりは行かなければいけません!」
「もう私はとっくに隠居して前線から退いたはずだ。いつまで年寄りをこき使う気だ」
「年寄りって……」
少し開いた執務室の扉の隙間から聞こえてきた会話。私は咄嗟に気配を隠して様子を伺った。
「シルバイン、同じことを何度も言わせるな。陛下に伝えろ、そろそろ身を固めて後進を育てたらどうかとな」
目線も上げずに本を読みながらそう告げるジェフリーを見たシルバイン卿は半泣きになりながら叫んだ。
「私に死ねと仰るんですかあぁぁぁぁ!!」
シルバイン卿の嘆きにも意に介さず眼鏡型の魔道具を外したジェフリーが不意に顔を上げた瞬間、その薄青の瞳と視線が交わる。
「ロティー」
微笑みながら席を立ち近づいてきたジェフリーは私を抱きよせて額に口づけた。その際ちらりと眺めたジェフリーの背中越しにシルバイン卿の懇願するような表情が見え、私は思わず苦笑いを漏らした。
「どこかに行くのか…?」
「行かないよ」
私の質問に間髪入れず答えるジェフリーだったが、その目は明らかに泳いでいる。
「本当に? シルバイン卿」
「ロティー……!」
私がシルバイン卿に言葉を促すと、ジェフリーは慌てたのか私とシルバイン卿の間を遮るように両手を広げて振るが、テレポートですり抜けてシルバイン卿の前に移動した。
シルバイン卿の話によると、今度クラウス帝国との交易の交渉のためにスフィア王国の使節団が国境の城に来るという。その際の使節団の中には王族もいて、クラウスとしても皇帝に近い血族を交渉に向かわせたい。だがクラウスでは現在成年皇族は皇帝であるカステルを除いてはジェフリーのみ。しかもカステルはまだ未婚で皇配どころか婚約者もいない。そこでルイスター大公であるジェフリーに白羽の矢が立ったとのことだった。
私は頭痛がするような気がして額に手をかけた。
私と恋人に、夫婦になってからジェフリーは極端に仕事を減らして私のそばにいた。クラウスの多くの領地や商団を手放したことも知っていたし、それに伴いクラウス帝国での実権も殆ど手放したことも。そのすべてが私やレティ―のそばにいるためだったことも。
そんなジェフリーの決断に対して幸せを感じる反面、クラウス帝国やジェフリーを慕う領民からしたら大きな損失であり、ジェフリーに仕える騎士達にとっては帝国と主の間での板挟みに苦労を掛けているだろうことは想像に難くなかった。
話し終えたシルバイン卿が席を外したあと、目を伏せたジェフリーは私を抱きしめて呟いた。
「ロティー……私は君とレティ―のそばから離れたくないんだ…」
「ジェフリー……」
一瞬私たちも一緒について行けたら…そんなことが脳裏を過ったが、国境地域に生後一年にも満たない赤子を連れて行くのは色んな意味でリスクが高い。私はジェフリーの胸の中で頭を振ってその考えを振り切った。
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三日後 ────
結局一人で国境地帯に赴くことになったジェフリーを見送るため、私はレティを腕に抱いて馬車の前に立った。
名残惜しそうに私とレティ―を見つめるジェフリーと、外の景色が見れて嬉しいのか指を咥えながらきょろきょろと周りを見渡すレティ―。これからしばらく父親が家を留守にすることを、幼いレティ―はきっと理解していないのだろう。馬車に繋がれた馬を指さしてきゃっきゃと無邪気に笑っているレティ―に私は話しかけた。
「レティ―、パパに行ってらっしゃいをしなさい…」
レティ―をジェフリーに抱かせようとするが手足をバタつかせて逃れようとするレティー。
「こらっ!レティ―……」
「ロティー、大丈夫だよ」
「だが……」
私の胸にしがみついたレティ―の頭を優しく撫でたジェフリーは寂しそうに微笑んで私たちから背を向けて馬車に乗り込んだ。
「なるべく早く帰るから」
「ああ……行ってらっしゃい……」
馬の嘶きと共に動き出した馬車が少しずつ遠ざかるのを眺めていると、腕に抱いたレティ―の声が聴こえる。
「あーぶー」
馬車の去っていった方向を指さしながら私を見て何かを訴えるレティー。自分も馬車に乗ると思っていたのだろうか? その日、そのあとからレティ―は何故だか機嫌が悪かった。
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夜、私は寝支度をすませてベッドに横になるが何だかベッドが広く感じて中々眠りにつけないでいた。コロコロと寝返りをうちながらどうにか寝ようとするが睡魔が訪れる気配は全くない。
理由は明らかだった。ジェフリーと寝床を共にするようになってから独り寝など無縁だったせいか、無性にジェフリーの温もりが恋しくて堪らない。まだ初日だというのに今からこれでは先が思いやられる……そう思いながらジェフリーの枕を抱きしめていると、隣のレティ―の部屋から泣き声が聴こえた。
レティ―には乳母がついているのだからと、私は眠りにつく努力を続けていたが一向に泣き声は収まらない。
──── 最近は夜泣きも少なくなっていたのだが……。
疑問を感じながらも私は目を開けてベッドを抜け出しレティ―の部屋に向かった。
「どうした?」
大泣きするレティ―を抱いてあやしている乳母に声をかけると、恐縮した様子の乳母が頭を下げる。
「大公妃様、申し訳ございません。私が至らないばかりに公女様が眠れないようで……」
「かまわない、今日はずっと機嫌が悪かったようだし。私も今夜はあまり眠れそうにないから娘と一緒にいるよ」
そう言って恐縮する乳母からレティ―を受け取った私は寝室に戻ってベッドに腰かけた。ゆっくりと身体を揺すりながら胸に抱いたレティ―の背中を優しく叩くと、泣き声が少しずつ小さくなっていく。小さな頬に流れた沢山の涙が私の胸元をぐっしょりと濡らす頃にレティ―はやっと眠りについた。
小さな温もりを腕に抱いたままベッドに横になった私にもやがて睡魔が訪れていつの間にか眠っていた。
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ジェフリーが旅立ってからすでに三日が過ぎていた。その間やはりレティ―の様子がいつもと違っていた。あれからずっと夜はレティ―と共に寝ていたが、レティ―は目覚めるとすぐに布団に潜り込んでまるで誰かを探すようにぐるぐると中を探っては他に誰もいないことが分かると目に見えて落ち込む。
外から馬車の音がすると窓際までハイハイして外を眺めては私に連れて行けとせがむ。いざ外に連れて行くと大抵は屋敷に物資を運ぶ荷馬車で、これまたレティ―は興味を失ったようだった。
ここまでくればレティーがなせ機嫌が悪いのか、誰を探しているのかなんて見当がつく。おそらくレティ―はずっとジェフリーを探しているのだろうと。
思えば産まれてからレティ―が私はもちろんジェフリーとこんなに長く離れたことは一度もなかった。昔に比べて一日が終わるのが早いと感じる私でさえも、今ジェフリーと久々に離れたことを寂しく思っているのだから赤子ならなおさらかもしれない。
暗い瞳でジェフリーに買ってもらった大きなクマのぬいぐるみに抱きついて座っているレティ―を眺めていてふと思いついた私はあるところにレティ―を連れて行った。
「シャーロット・エレノア様、お久しぶりです。そして御結婚と御出産おめでとうございます」
私たちの目の前に青く小さな花火を打ち上げながら檻の中で佇むのは魔術師デロアニルだった。
「ありがとうございます」
「私の姿を見ても泣かないとは、流石は閣下とエレノア様のお子様です」
私は苦笑いしながらここに来た理由を話した。
「今日はこの子にジェフリーの記憶絵を見せてあげたくて来たんです」
「──── 閣下は国境地帯に赴いたのでしたね。きっと公女様もお寂しいことでしょう……。さあ私のことは気にせず、どうぞ公女様に閣下のお姿を見せて差し上げてください」
頷いて横を向いた私は、アカデミー時代の私たち夫婦の記憶絵に近づいていった。相変わらずこの絵を見るのは少し気恥ずかしいが、絵に込められたジェフリーの想いを思い出して心に温もりが灯ったようだった。
「レティ―、見てごらん。パパだよ」
活気なく私の胸に抱きついていたレティ―は、私の声に顔を上げた。そして絵を見た瞬間、その薄青の瞳に光が戻ったような気がした。
「あー!あ!」
何やら叫びながら両手を絵に届かせようと伸ばしているレティ―。私は空中に陣を展開させて上に乗った。ちょうど絵の私たちと同じ高さまで来ると小さなレティ―の手の平に絵が届く。
「うーううー!」
抱っこをせがむように絵の中のジェフリーに向かって手を伸ばすレティ―を見て、私は自分の思い付きが間違っていたことに気づいた。
絵の中で優しく微笑んでいるジェフリーは決してこちらを見ないし、ましてや娘を抱きしめることが出来ないことは大人には理解できてもレティ―には理解できなかったのだろう。顔を歪ませたレティ―はこれまでになく泣き出してしまった。
「レティ―、レティ―……すまなかった…。この母が悪かったよ……」
ひきつけを起こしそうなほど咽び泣く娘を抱きしめながら、私はやむなく眠りの魔法をレティ―にかけた。そして私は恥ずかしい所を見せてしまったことをデロアニルに謝罪してその場を去った。
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次の日、相変わらず元気のないレティ―は積み木を投げて遊んでいた。両手に持った積み木を投げてはまた拾い、拾ってはまた投げる。実につまらなそうに遊ぶ娘の姿を見て私は頭を抱えた。
しばらくの間レティ―の様子を眺めていたが、夕刻を告げる街の鐘の音が鳴り始めた。もうそんな時間かと、私が時計に目をやったその時だった。
青い魔法陣が空中に浮かび慣れた気配が部屋に漂うのを感じた。次の瞬間には魔法陣から私たちがずっと待ち望んでいた人が現われる。
「ロティー!レティ―!ただいま!」
満面の笑みで両手を広げて私たちの前に立つジェフリー。久々に会えた喜びに浸る間もなく横を向くと、口を開けたレティ―が手に持った積み木を落としてジェフリーの足元までハイハイをして近づいていた。
「レティ―?」
困惑した様子のジェフリーの手はやり場に困ったように宙を彷徨っていた。そうしている間にもレティ―はジェフリーのズボンに縋りついてつかまり立ちをしながら抱っこをせがむように手を伸ばす。
「ん!うー!」
「ロティー……レティ―が……」
レティ―が立ったことに驚いたのか、それとも初めて抱っこをせがまれて驚いたのか。きっとその両方だろうが、青い顔をしてレティ―と私に交互に視線を泳がせるジェフリーを見て苦笑してしまう。
大きな瞳に涙を沢山浮かべながら短い腕を目一杯伸ばしているうちにバランスを崩したレティ―は後ろに倒れそうになる。
「レティ―!」
尻もちをつく一歩手前のところでレティ―の背中をジェフリーの大きな手が支えた。
「レティ―、どうしたの? どこか痛い?」
注意深くレティ―の身体を確認するジェフリーはまだ分かっていないのか、顔面蒼白になって的外れな質問を繰り返す。
「ロティー、大変だ……! レティ―が変だ……。医者を呼ばないと!」
この男はどうして肝心なところで自分に向けられた愛情に気づかないのか……。100年以上ジェフリーの心に気づかなかった私が言える立場でないことは知っているが、思わず心の中で毒づきながらゴホンと咳払いをして口を開く。
「ジェフリー……レティ―を抱っこしてやれ」
「え……?」
間の抜けた表情で私を見たジェフリーはゆっくりとレティ―に視線を移した。
「レティ―はずっとお前が帰るのを待ってたんだよ」
尚も自らに向かって手を伸ばすレティ―を見て、やっと状況を理解したのかジェフリーはボロボロと涙を零し始めた。
「レティ―……私を待ってたの…? パパのこと嫌いじゃなかったの……?」
やはりジェフリーもこれまでのレティ―がジェフリーに対して取っていた態度を不安に感じていたのだろう。でもレティ―を寝かしつけるのは私よりもジェフリーの方が上手かったし、レティーは父親の存在に安心感を感じていたのだと思う。
ジェフリーがレティ―を抱き上げた瞬間、レティ―はいつ泣いたのかと思うほどの微笑みを浮かべてジェフリーの胸にしがみついた。
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その夜は親子三人で一緒に眠ることにした。興奮冷めやらぬ様子で私たちの間を行ったり来たりしているレティ―が可愛くて、私たちは目を細めた。レティ―に遊んでくれとせがまれることが余程嬉しいのか、ジェフリーは帰ってきてからずっとレティ―を構い倒していた。
父と子の睦まじい姿が見られるのは嬉しい反面、レティ―ばかりに構うジェフリーを見ていると少しだけ腹が立った。ベッドに寝ころんだままレティ―を胸に抱いて寝かしつけているジェフリーに背を向けて横になると、私はわざとらしく大きなため息をついて見せた。
「はあ……」
「ロティー……?」
背中からジェフリーの狼狽したような声が聞こえたが、私は聞こえないふりで独り言をつぶやいた。
「私だって会いたかったんだがな……」
そう言い切ったあとで、娘に焼きもちを焼いている自分がやけに幼く思えて顔が熱くなる。ジェフリーの反応が気になるが背中を向けているから顔も見えない。
しばらくの静寂の後、横を向いている私の顔の前にジェフリーの大きな手が現われた。耳元に吐息がかかるのを感じて心臓が跳ねる。
「私もだ……」
ジェフリーの低い声が耳に届いて思わず振り向くと、そのまま唇を塞がれてしまう。何度も浅く深い口づけを繰り返しながら、私はこの幸福が永遠に続くことを願い、また祈った。
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話の都合上ジェフロティの赤ちゃんに名前をつけましたが本編では赤ちゃんたちの名前は分からないままです💦
この話の構想は結構前から出来てたのですが、私の中で赤ちゃんのイメージが固まってしまいそうなのと、普通の会社員のパパを持つ赤ちゃんならパパ見知りはよく聞きますがジェフリーの場合はきっとべったりだろうからジェフリーが赤ちゃんに好かれないなんてことはあるだろうか?とも思いながら結局ツンデレ風赤ちゃんに😅
きっとしばらくの間お出かけで馬車を目にするたびに父親が連れ去られると思って赤ちゃんは泣いてしまうことでしょう😂
書きませんでしたがベッドの高低差は赤ちゃんには危ないのでシールドを展開している設定です💦
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8개월 된 우리 아이, 레티는 요즘 왠지 아버지……제프리를 피하게 되었다.
제프리가 레티를 다룰 때마다 작은 손으로 아버지를 밀치고 내 곁으로 온다. 그런 레티를 쓸쓸하게 바라보는 제프리를 보면 안쓰러운데, 이것만은 나도 어떻게 해야 할지 몰랐다.
상관하면 도망쳐도, 제프리의 모습이 보이지 않게 되면 신경이 쓰이는지 찾아내는 레티의 모습으로부터, 결코 싫어하는 것은 아니라고 생각하지만.
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레티가 낮잠을 자고 한가해진 나는 제프리를 찾아 저택 복도를 걷고 있었다.
"각하! 이번만큼은 가지 않으면 안됩니다!"
"이제 나는 진작 은거하고 전선에서 물러났을 것이다. 언제까지 노인을 부려먹을 생각이다"
"노인이라니……"
살짝 열린 집무실 문틈으로 들려온 대화. 나는 순간적으로 낌새를 감추고 상황을 살폈다.
"실바인, 똑같은 말 자꾸 하게 하지 마. 폐하께 아뢰어라, 슬슬 몸을 굳혀 후진을 키우면 어떻겠느냐고"
눈길도 주지 않고 책을 읽으며 그렇게 말하는 제프리를 본 실바인 경은 반쯤 울면서 소리쳤다.
"저보고 죽으라고 하시는 건가요아아아!!"
실바인 경의 탄식에도 아랑곳하지 않고 안경형 마도구를 벗은 제프리가 불쑥 고개를 드는 순간, 그 연청의 눈동자와 시선이 마주친다.
"로티"
웃으며 자리에서 일어나던 제프리는 나를 끌어안고 이마에 입을 맞췄다. 그때 힐끗 쳐다본 제프리의 등 너머로 실바인 경의 간청하는 듯한 표정이 보였고, 나는 무심코 쓴웃음을 지었다.
"어디 가는 건가...?"
"안 갈 거야"
내 질문에 주저하지 않고 대답하는 제프리였지만, 그 눈은 분명히 헤엄치고 있다.
"정말? 실바인 경"
"로티……!"
내가 실바인 경에게 말을 재촉하자 제프리는 당황했는지 나와 실바인 경 사이를 가로막듯 두 팔을 벌려 흔들지만, 텔레포트로 빠져나와 실바인 경 앞으로 이동했다.
실바인 경의 말에 따르면 이번에 클라우스 제국과의 교역 협상을 위해 수피아 왕국 사절단이 국경의 성으로 온다고 한다. 이때의 사절단 중에는 왕족도 있고, 클라우스로서도 황제에 가까운 혈족을 교섭에 보내고 싶다. 하지만 클라우스에서는 현재 성년 황족은 황제인 카스텔을 제외하고는 제프리뿐. 게다가 카스텔은 아직 미혼으로 황배는커녕 약혼자도 없다. 그곳에서 루이스터 대공인 제프리에게 흰 날개의 화살이 꽂혔다는 것이었다.
나는 두통이 있을 것 같아서 이마에 손을 얹었다.
나와 연인에게, 부부가 되고 나서 제프리는 극단적으로 일을 줄이고 내 곁에 있었다. 클라우스의 많은 영지나 상인을 놓아준 것도 알고 있었고, 그에 따라 클라우스 제국에서의 실권도 거의 놓아준 것도. 그 모든 것이 나와 레티의 곁에 있기 위해서였다는 것도.
그런 제프리의 결단에 대해 행복감을 느끼는 반면 클라우스 제국이나 제프리를 흠모하는 영민들에게는 큰 손실이었고, 제프리를 섬기는 기사들에게는 제국과 주님 사이에서 판을 짜는 데 애를 먹고 있으리라는 것은 상상하기 어렵지 않았다.
말을 마친 실바인 경이 자리를 비운 뒤 눈을 내리깐 제프리는 나를 끌어안으며 중얼거렸다.
"로티…… 나는 너와 레티의 곁을 떠나고 싶지 않아…"
"제프리..."
순간 우리도 함께 따라갈 수 있었으면… 그런 일이 뇌리를 스쳤지만, 국경 지역에 생후 1년도 안 된 아기를 데려가는 것은 여러 의미에서 위험이 높다. 나는 제프리의 가슴속에서 머리를 흔들며 그 생각을 뿌리쳤다.
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사흘 후 ----
결국 혼자 국경지대로 가게 된 제프리를 배웅하기 위해 나는 레티를 품에 안고 마차 앞에 섰다.
아쉬운 듯이 나와 레티를 바라보는 제프리와, 밖의 경치를 볼 수 있어서 기쁜지 손가락을 물으며 두리번두리번 주위를 둘러보는 레티. 앞으로 당분간 아버지가 집을 비우는 것을 어린 레티는 분명 이해하지 못할 것이다. 마차에 연결된 말을 가리키며 꺄르르 천진난만하게 웃고 있는 레티에게 나는 말을 걸었다.
"레티, 아빠에게 잘 다녀오세요…"
레티를 제프리에게 안기려고 하지만 손발을 발로 차게 하고 도망치려고 하는 레티.
"이봐! 레티……"
"로티야, 괜찮아"
"하지만……"
내 가슴에 매달린 레티의 머리를 부드럽게 쓰다듬은 제프리는 쓸쓸한 듯 미소를 지으며 우리에게서 등을 돌리고 마차에 올라탔다.
"최대한 빨리 집에 갈 테니까"
"아아…다녀오세요……"
말 嘶기와 함께 움직이기 시작한 마차가 조금씩 멀어지는 것을 바라보면 팔에 안은 레티의 목소리가 들린다.
"아후~"
마차가 떠난 방향을 가리키며 나를 보고 무언가를 호소하는 레티. 자신도 마차를 탈 줄 알았던 것일까? 그 날, 그 후부터 레티는 왠지 기분이 나빴다.
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밤에 나는 잘 준비를 마치고 침대에 눕지만 왠지 침대가 넓게 느껴져서 잠을 이루지 못하고 있었다. 데굴데굴 뒤척이며 어떻게든 자려 하지만 수마가 찾아오는 기색은 전혀 없다.
이유는 분명했다. 제프리와 잠자리를 같이하게 되면서부터 혼자 자는 건 무관했던 탓인지 괜히 제프리의 온기가 그리워 견딜 수 없다. 아직 첫날이라고 하는데 지금부터 이래서는 앞일이 걱정된다……그렇게 생각하면서 제프리의 베개를 끌어안고 있는데, 옆의 레티의 방에서 울음소리가 들렸다.
레티에게는 유모가 붙어있으니, 나는 잠드는 노력을 계속하고 있었지만 전혀 울음소리는 가라앉지 않는다.
---- 최근에는 밤에 울음도 적어지고 있었지만…….
의문이 들면서도 나는 눈을 뜨고 침대를 빠져나와 레티의 방으로 향했다.
"무슨 일이야?"
대성통곡하는 레티를 안고 달래고 있는 유모에게 말을 걸자 황송한 표정의 유모가 고개를 숙인다.
"대공비님 죄송합니다. 공녀님이 잠을 못 주무시는 것 같아서……"
"상관없어, 오늘은 계속 기분이 나빴던 것 같고. 나도 오늘 밤 잠을 잘 못 잘 것 같아서 딸과 함께 있을 거야"
그렇게 말하며 황송해하는 유모에게 레티를 받아든 나는 침실로 돌아와 침대에 걸터앉았다. 천천히 몸을 흔들며 품에 안은 레티의 등을 부드럽게 두드리자 울음소리가 조금씩 작아져 간다. 작은 뺨에 흘러내린 많은 눈물이 내 가슴팍을 흠뻑 적실 때쯤 레티는 겨우 잠이 들었다.
작은 온기를 팔에 안은 채 침대에 누운 나에게도 이윽고 수마가 찾아와 어느새 잠들어 있었다.
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제프리 가 떠난 지 벌써 사흘이 지나고 있었다. 그동안 역시 레티의 모습이 평소와 달랐다. 그 후로 줄곧 밤에는 레티와 함께 잤지만, 레티는 눈뜨자마자 이불 속으로 숨어 들어가 마치 누군가를 찾듯이 빙글빙글 안을 뒤지고는 그 밖에 아무도 없다는 것을 알자 눈에 띄게 침울해진다.
밖에서 마차 소리가 나면 창가까지 뛰어올라 밖을 내다보고는 내게 데려가라고 조른다. 막상 밖으로 데리고 나가면 대개는 저택에 물자를 나르는 짐마차로, 이 또한 레티는 흥미를 잃은 것 같았다.
이쯤 되면 레티가 없어 기분이 안 좋은지, 누구를 찾고 있는지 짐작이 간다. 아마 레티는 계속 제프리를 찾고 있을 거라고.
생각해보면 태어나면서부터 레티가 나는 물론 제프리와 이렇게 오래 떨어져본 적은 한 번도 없었다. 예전에 비해 하루가 빨리 지나간다고 느끼는 나조차도 지금 제프리와 오랜만에 떠난 것을 섭섭하게 생각하고 있으니 아기라면 더 그럴지도 모른다.
어두운 눈망울로 제프리가 사준 커다란 곰인형을 껴안고 앉아있는 레티를 바라보다가 문득 생각난 나는 어느 곳으로 레티를 데리고 갔다.
"샬럿 엘리너님 오랜만입니다. 그리고 결혼과 출산을 축하합니다"
우리 눈앞에 푸르고 작은 불꽃을 일으키며 우리 안에 서 있는 것은 마술사 델로아닐이었다.
"감사합니다"
"내 모습을 보고도 울지 않는다니 역시 각하와 엘리너님의 자녀입니다"
나는 쓴웃음을 지으며 여기에 온 이유를 말했다.
"오늘은 얘한테 제프리의 기억 그림을 보여주고 싶어서 왔어요"
"---- 각하는 국경 지대로 가셨군요. 분명 공녀님도 외로울 것입니다……. 자, 저는 신경쓰지 마시고 부디 공녀님께 각하의 모습을 보여주십시오"
고개를 끄덕이며 고개를 돌린 나는 아카데미 시절 우리 부부의 기억 그림에 다가갔다. 여전히 이 그림을 보는 건 조금 쑥스럽지만, 그림에 담긴 제프리의 마음을 떠올리며 마음에 온기가 켜진 것 같았다.
"레티, 봐봐. 아빠야"
활기없이 내 품에 안겨있던 레티는 내 목소리에 고개를 들었다. 그리고 그림을 보는 순간 그 연청의 눈동자에 빛이 돌아온 것 같은 느낌이 들었다.
"아! 아!"
뭐라고 외치면서 양손을 그림에 닿게 하려고 뻗고 있는 레티. 나는 공중에 진을 치고 위에 올라탔다. 마침 그림의 우리와 같은 높이까지 오면 작은 레티의 손바닥에 그림이 닿는다.
"으음!"
안아달라고 조르듯 그림 속 제프리를 향해 손을 뻗는 레티를 보며 나는 내 생각이 틀렸다는 것을 깨달았다.
그림 속에서 상냥하게 미소짓고 있는 제프리는 결코 이쪽을 보지 않으며, 하물며 딸을 껴안을 수 없다는 것은 어른에게는 이해할 수 있어도 레티에게는 이해할 수 없었을 것이다. 얼굴을 일그러뜨린 레티는 전에 없이 울음을 터뜨리고 말았다.
"레티, 레티……미안했어…. 이 엄마가 잘못했어……"
경련을 일으킬 정도로 흐느끼는 딸을 껴안으면서 나는 어쩔 수 없이 잠의 마법을 레티에 걸었다. 그리고 나는 부끄러운 점을 보여준 것을 델로아닐에게 사과하고 그 자리를 떠났다.
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다음날, 여전히 기운이 없는 레티는 쌓기나무를 던지고 놀고 있었다. 양손에 든 쌓기나무를 던졌다가는 다시 줍고는 다시 던진다. 참으로 재미없다는 듯이 노는 딸의 모습을 보고 나는 머리를 싸맸다.
잠시 레티의 모습을 바라보다 저녁을 알리는 거리의 종소리가 울리기 시작했다. 벌써 그럴 시간인가 하고 내가 시계에 눈을 붙인 그때였다.
푸른 마법진이 공중에 익숙한 기색이 방에 감도는 것을 느꼈다. 다음 순간에는 마법진에서 우리가 계속 기다리던 사람이 나타난다.
"로티! 레티!다녀왔습니다!"
함박웃음으로 두 팔 벌려 우리 앞에 선 제프리. 오랜만에 만난 기쁨에 겨워 고개를 돌리자, 입을 벌린 레티가 손에 든 쌓기나무를 떨어뜨려 제프리의 발치까지 기어오르고 있었다.
"레티?"
곤혹스러운 표정의 제프리의 손은 어쩔 수 없다는 듯 허공을 맴돌았다. 그러는 동안에도 레티는 제프리의 바지에 매달려 붙들고 서서 안기듯 손을 뻗는다.
"음! 음!"
"로티……레티가…"
레티가 선 것에 놀랐는지, 아니면 처음으로 안아서 놀랐는지. 분명 둘 다겠지만, 푸른 얼굴을 하고 레티와 나에게 번갈아 시선을 헤엄치게 하는 제프리를 보고 쓴웃음을 짓고 만다.
커다란 눈망울에 눈물을 잔뜩 머금으며 짧은 팔을 한껏 뻗다 보니 중심을 잃은 레티는 뒤로 넘어질 것 같다.
"레티!"
엉덩방아를 찧기 일보 직전에 레티의 등을 제프리의 큰 손이 받쳤다.
"레티, 무슨 일이야? 어디 아파?"
조심스럽게 레티의 몸을 확인하는 제프리는 아직도 모르는 것인지 얼굴이 창백해지고 엉뚱한 질문을 반복한다.
"로티, 큰일났다…! 레티가 이상해... 의사를 불러야 해"
이 남자는 왜 중요한 곳에서 자신을 향한 애정을 눈치채지 못하는 것일까……. 100년 넘게 제프리의 마음을 눈치채지 못한 내가 말할 수 있는 입장이 아닌 건 알지만, 나도 모르게 속으로 독기를 부리며 헛기침을 하고 입을 연다.
"제프리... 레티를 안아줘"
"네……?"
얼빠진 표정으로 나를 본 제프리는 천천히 레티에게 시선을 옮겼다.
"레티는 계속 네가 돌아오기를 기다렸어"
더구나 스스로를 향해 손을 뻗는 레티를 보며 겨우 상황을 이해했는지 제프리는 너덜너덜 눈물을 흘리기 시작했다.
"레티…… 나를 기다렸어…? 아빠 싫어하지 않았어……?"
역시 제프리도 지금까지의 레티가 제프리에 대해 취하고 있던 태도를 불안하게 느끼고 있었을 것이다. 하지만 레티를 재우는 것은 나보다 제프리가 더 잘했고, 레티는 아버지의 존재에 안정감을 느끼고 있었던 것 같다.
제프리가 레티를 안아 올리는 순간 레티는 언제 울었나 싶을 정도의 미소를 지으며 제프리의 품에 매달렸다.
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그날 밤은 부모와 자식 셋이 함께 잠을 자기로 했다. 흥분이 채 식지 않은 모습으로 우리 사이를 왔다 갔다 하는 레티가 귀여워 우리는 눈을 가늘게 떴다. 레티에게 놀아달라고 조르는 것이 얼마나 기쁜지 제프리는 돌아와서도 줄곧 레티를 상대했다.
아빠와 아이의 화목한 모습이 보이는 건 반가운 반면, 레티에만 신경 쓰는 제프리를 보고 있자니 조금만 화가 났다. 침대에 누운 채 레티를 품에 안고 재우고 있는 제프리를 등지고 눕자 나는 일부러 큰 한숨을 내쉬었다.
"하아……"
"로티…?"
등에서 제프리의 당황한 듯한 목소리가 들렸지만 나는 못 들은 척 혼잣말을 중얼거렸다.
"나도 만나고 싶었는데……"
그렇게 단언한 후에, 딸에게 질투를 하고 있는 자신이 몹시 어리게 생각되어 얼굴이 뜨거워진다. 제프리의 반응이 궁금하지만 등을 돌리고 있으니 얼굴도 보이지 않는다.
잠시의 정적 후 옆을 향하고 있는 내 얼굴 앞에 제프리의 큰 손이 나타났다. 귓가에 입김이 가는 것을 느끼고 심장이 뛴다.
"나도 그래……"
제프리의 나지막한 목소리가 귀에 닿아 무심코 돌아보면 그대로 입술이 막혀버린다. 몇 번이나 얕고 깊은 입맞춤을 반복하면서 나는 이 행복이 영원히 이어지기를 바라며 또 기도했다.
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이야기의 형편상 제프로티의 아기에게 이름을 붙였지만 본편에서는 아기들의 이름은 알지 못하고 있습니다💦
이 이야기의 구상은 꽤 오래 전부터 되어 있었습니다만, 제 안에서 아기의 이미지가 굳어져 버릴 것 같은 것과, 보통 회사원의 아빠를 둔 아기라면 아빠가 아는 것은 자주 듣습니다만, 제프리의 경우는 분명 껌딱지일 것이기 때문에 제프리가 아기에게 좋아하지 않는 일은 있을까? 라고 생각하면서 결국 츤데레식 아기로😅
분명 잠시 외출에서 마차를 볼 때마다 아버지가 끌려간다고 생각하고 아기는 울어 버릴 것입니다😂
쓰지 않았지만 침대의 높낮이 차이는 아기에게는 위험하기 때문에 실드를 전개하고 있는 설정입니다 💦